
・論理式ってどんな記号があるの?
・記号の読み方は?
・公式ってどういうのがある?
こういった疑問に答えるため、応用情報技術者の筆者が分かりやすく解説し、見やすくまとめていきます。
論理式で使用される記号
論理式で使用される記号の一覧は以下の通りです。
読み方 | 表記 | 意味 |
否定 | $\lnot p_{1}$ , $\overline{ p_{1} }$ | $p_1$ でない |
論理積 | $ p_1 \land p_2 $ , $ p_1 \cdot p_2 $ | $p_1$ かつ $p_2$ |
論理和 | $ p_1 \lor p_2 $ , $ p_1 + p_2 $ | $p_1$ または $p_2$ |
含意 | $ p_1 \to p_2$ , $ p_1 \Rightarrow p_2 $ , $ p_1 \models p_2 $ | $p_1$ ならば $p_2$ である |
同値 | $ p_1 \equiv p_2 $ , $ p_1 \Leftrightarrow p_2 $ | $p_1$ の場合かつこの場合に限り $p_2$ である |
排他的論理和 | $ p_1 \veebar p_2$ , $ p_1 \oplus p_2 $ | $p_1$ , $p_2$ のいずれかが真 |
全称限量子 | $\forall p_1$ | 任意の $p_1$ |
存在限量子 | $\exists p_1$ | ある $p_1$ が存在する |
トートロジー | $T$ | 真 , 正しい |
矛盾 | $F$ | 偽 , 正しくない |
論理記号の全体像を把握したところで、次の項からは個別の真理値表と、意味を解説していきます。
否定(NOT)の真理値表
名前の通り否定です。元の命題と逆の値になります。
論理積(AND)の真理値表
論理積は ‘かつ’ を意味する記号です。どちらも真の場合にのみ、真になります。
論理和(OR)の真理値表
論理和は ‘または’ を意味する記号です。2命題のどちらかが真の場合には、真になります。
含意の真理値表
含意は ‘ならば’ を意味する記号です。見てわかる通り、最も注意しなければいけない記号でもあります。かなり覚えにくいです。そこで、例を出して説明します。
ある人が「波瑠と結婚できなかったら死んでやる」と言ったとします。このセリフが嘘になるのは、「波瑠と結婚できなかったのに死ななかった」時だけです。「波瑠と結婚できた反動で嬉しすぎて死んだ」場合や「波瑠と結婚できて幸せに生きている」場合も嘘にはならないですよね。そういうことです。
同値の真理値表
同値は、2命題が同じ値をとるときに真になります。
排他的論理和(XOR)の真理値表
排他的論理和は ‘いずれか’ を意味する記号です。2命題のいずれか片方のみが真の場合にのみ、真になります。
論理式における公式
交換則 | $A+B=B+A$ $A \cdot B = B \cdot A $ |
結合則 | $A+(B+C)=(A+B)+C$ $A\cdot (B\cdot C)=(A\cdot B)\cdot C$ |
分配則 | $A(B+C)=AB+AC$ |
恒等則 | $A + 1 = 1$ $A \cdot 1 = A$ $A + 0 = A$ $A \cdot 0 = 0$ |
同一則 | $A \cdot A = A$ $A + A = A$ |
補元則 | $A \cdot \overline{A} = 0$ $A + \overline{A} = 1$ |
吸収則 | $A+A \cdot B = A$ $A\cdot (A + B) = A$ |
ド・モルガンの法則 | $\overline{A+B}=\overline{A}\cdot \overline{B}$ $\overline{A\cdot B}=\overline{A}+ \overline{B}$ |
上3つは高校までの数学と同じですね。問題はその下です。中でも、吸収則とド・モルガンの法則は特に注意して確認しておいてください。
公式ではないが、覚えておくとよいもの
以下の式変形は、公式ではありませんが覚えておくと役に立ちます。
基本パターン1 | $AB+A\overline{B}=A$ |
基本パターン2 | $A(\overline{A}+B)=AB$ $A+\overline{A}B=A+B$ |
基本パターン3 | $AB + \overline{A}C + BC = AB +\overline{A}C$ $(A+B)(\overline{A}+C)(B+C)=(A+B)(\overline{A}+C)$ |
上記式の証明や、論理式簡単化の練習問題は

【ブール代数】論理式の簡単化(解き方)のコツ【練習問題付き】
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こちらを確認してみてください。
まとめ
論理式の公式は多い
コメント
補元則はA+A¯=AではなくA+A¯=1だと思います。
確認遅くなってしまい申し訳ございません。
誤っておりましたので、修正させていただきました。
ご連絡ありがとうございます!